有限会社土遊野

土遊野通信2024.4月号

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土遊野通信2024.4月号

土遊野通信2024.4月号

2024/04/20

はじめに

4月。アイガモ達が卵を産み始める季節、通年産卵する鶏たちの産卵数が増える季節、枯れたような木の枝の新芽がふくらみ始める季節、カエルが水たまりに卵を生む季節、灰色の北陸の冬を耐え抜き、たくさんのいのちが生まれることを実感すると、心が弾み、温かい気持ちになります。春には、生まれるいのちを後押しする力がある気がします。気温も暖かくなり、花を愛で、少し霞む空でさえ清々しい。この自然からのぽかぽかのエネルギーを浴びて、さぁ今年もお米作りがんばるぞ!!!

↑2/29閏年に小ヤギが3頭 生まれました(^^) そして、3頭ともオス!!!


土遊野循環記

有機米の栽培と平飼い養鶏を主軸に 循環型農業を行っていますが今年の通信では、この循環について詳しくお伝えしていきたいなと思っています。農業に興味がある方、いつかやってみたいと思う方にはどんどん参考にしてもらえたら、嬉しいです。

第14回「いのちは繋がっている」

前回は「森からいただく水の循環」というお話でした。   
今回は「いのちは繋がっている」というお話です。

これまでの13回の循環記を通して、水や土、森や生き物達が循環しているお話をしてきました。
農業をしていて一番に感じることはこうした「いのちの繋がり」です。  

人間社会のために安定して食糧を生産することが、農業の大きな使命だと思います。
しかし農業の現場に立つとすぐ、私達人間はなんと多くのいのちに支えられていることかと、体感することでしょう。

私は就農してまもなく「自分はなんのために生きているのだろう」と自分のいのちの価値を、一丁前にも考えていた時期がありました。
そんなときふと、ヤギ達、ひよこ達、にわとり達の前で「君たちはなんのために生きてるの?」と問うたことがありました。
彼女らが、人間の食糧になるために生きているのではないことは、はっきりと分かりました。
生まれたから、賢明に生きている。
彼女らは人間と同じく、生まれたときから個性があり、生まれて3日や1週間で弱って死んでしまうものもいます。
卵から生まれてこれないものもいます。
生まれたらすぐエサをついばみ水を求め動き始めます。

自らの命を断つ者は決していません。
彼ら彼女らは、いのちを繋ぐために、まっすぐに生きようとします。

いのちを繋ぐために、繁殖する。
その彼女らのいのちを繫ぐために凝縮した部分の栄養を、人間は収穫したり、卵として採ったりしています。

私達にはその自覚はあるでしょうか?
そのいのちを繋ぐ力を利用して、人間に都合の良いように遺伝子までも操作したりしていいます。

人命のためなら、他の生き物には何をしてもよいのだろうか・・・

人間がやってることは、すべて自分たちに返ってきているのですが、それを被るのは次の世代の子どもたちだったりします。
「自分の生きる時代は大丈夫!」と他人事には思えないので、私はいのちを繋ぐ農業に挑戦し、いのちの繋がりを伝えるために里山で生きていきます。

この子達への感謝と敬意をもって。
共に生きているという自覚を、私達人間が持つことに大きな意味があると考えます。

「経済動物」「家畜」と呼んでいるこの子達の瞳をみて、君たちはなんのために生きているの?とぜひ一度、問うてみてください。
ここから先は想像の域になるのですが、私は、自分に問うよりもはるかに「いのち」について多くを教わってきた気がします。


ひよっこ農家娘二代目奮闘記
~農業家への道13 創業者の想い編~

両親が草刈り十字軍運動に参加し、富山と出会い、結婚と同時にこの土遊野のある富山市旧大沢野町土(ど)に移住したのが、約40年前になります。

父の草刈り十字軍の話でのエピソードの一つに「水が出ません事件」があります。
当時からこの集落では山から水を引いていましたが、炊事係の女性が早朝に起きて朝ご飯やお弁当の準備をするとき「すみませ~ん、今日も水でません」と起こされるそう。
水のパイプを辿ると取り入れるパイプの口先に落ち葉がペタッと張り付いている。
それをとって水が使えるようにしていたと。

たったこれだけ?!

しかし実は、父はこの過程にいたく感動していたようでした。
東京育ちの父にとって、水が出なくなったら、水道屋さんが直してくれるものだった。
言い換えれば、誰か直してくれないと水を使うことはできない。
しかしこの里山では、水は自分で引いてくるものであり、出なかったら自分でなんとかできる。
自分で生きていくという実感を得たときだったのかもしれません。

「誰かにやってもらう人生ではなく、自ら生み出す人生」これが、最近の父と飲んで話したときのテーマだったと思います。

13年父と一緒に農業をしていて感じたことは、自分でできることはなるべく自分でやるという判断軸を持っているということです。

誰かに頼めばお金がかかるからもあるだろうが、自分の成長の機会、能力を伸ばす機会をお金を払って奪うのか?と言われているよう。

生きる力を自分で開拓していける感動ときっかけを、ひと夏の草刈り十字軍からもらったのかもしれません。

そしてこの里山には、生きるために必要な資源がほとんど揃っているのではないかと、同時に気がついたのかもしれない…… 

次号へ続く


今月のおすすめ商品
~平飼い卵~

通年スーパーに出回っている卵にも実は旬があります。
冬の寒卵と合わせておすすめなのが、やはり春の卵です。
通年不足気味の土遊野の卵ですが、鶏たちがたくさん生んでくれるこの季節なので、今回おすすめ商品としてご紹介します!

土遊野では、自分たちで材料を混ぜ合わせ発酵させた「自家配合発酵飼料」で鶏を育てています。
遺伝子組換えやポストハーベストの心配がある輸入トウモロコシは使わず、自前の飼料用米や国産の麦・大豆を主食に、米ぬかや魚粉、地元農家の野菜残渣やおからをあわせます。そして春は、酒蔵からいただく上質な酒粕も食べています!人と同じく体の中から菌活をしている元気な我が鶏さんたち♪

ホルモン剤、抗生物質は一切投与していません。

マレック病に対するワクチンのみ生まれてすぐにヒナ屋さんにて接種していますが、ワクチンはそれ一度きりです。(土遊野で生まれるヒナには一切ワクチンも接種していないので、ワクチンフリーの卵もご用意可能です。)

人工的に着色していないレモンイエローの黄味の色が特徴です!

「臭みがない」「白味にも甘さがある」というお声もいただいております♪


【ご報告】令和5年度未来へつながる持続可能な農業推進コンクール生産局長賞を受賞しました!

全国からの代表4団体の一つに選ばれました!!!3月11日、農林水産省にて授賞式があり、事例発表もさせていただきました。土遊野の有機農業への取組面積は水稲がメインで今年25haになります。里山での循環型農業の挑戦に評価をいただけましたこと、大変光栄に思います。

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