有限会社土遊野

土遊野通信2023.12月号

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土遊野通信2023.12月号

土遊野通信2023.12月号

2023/12/05

はじめに

異常気象、担い手の高齢化と担い手不足、物資の高騰、さまざまな食料安全保障に関わる課題が、連日ニュースや特集番組で取り上げられています。農家と農村は、この課題にここ何年もずっと向き合っていますが、メディアを通して聞く情報は、まだどこか他人事のような。消費者にはどうしようもないこと、農家や国がなんとかしてくれるもの、という距離感があるのは否めません。5歳の娘が成長し生きる20年後に、どんな社会になっているのかは分かりません。 でも、生きるために、命を繋ぐために、種を播き、育て、いただき生きる生き方は、どの時代も通用するのではないか。誰かいつかがなんとかしてくれるという社会ではなく、自分で生きるために必要なことをする生き方を娘達には伝えていきたいなと思っています。


土遊野循環記

有機米の栽培と平飼い養鶏を主軸に 循環型農業を行っていますが今年の通信では、この循環について詳しくお伝えしていきたいなと思っています。農業に興味がある方、いつかやってみたいと思う方にはどんどん参考にしてもらえたら、嬉しいです。

第11回「水田の循環」

前回は「落ち葉の循環」というお話をしました。
今回は「水田の循環」について、お話したいと思います。

9月号に「田んぼの循環」を記しましたが、今回は「水田」つまり田んぼですね(笑)
水田の国、日本として少し大きな循環のお話になります。
日本にはとっても身近な存在ではないでしょうか?
穀物で唯一自給率ほぼ100%なのがお米です。
物価が高騰しているかなで、あまり大きな価格の高騰を見せていないのがお米ではないでしょうか?
これは国内で育てているという理由が大きいと思います。
しかしながら、肥料、資材、燃料、人件費はすべて高くなっています。
どこがその原価高の部分を、追っているのでしょうか?
答えは、米農家御本人です。
採算がとれないと見えている米作りは、次世代には継がれにくいです。
1000万以上の機械投資が必要になると、新規就農の方のハードルももちろん高くなります。
お米だけでは採算が合わないので、収益が見える野菜作りをすることに国は後押しをしたりもしています。それでも私は、野菜では水田広がる国土は維持できないと考えます。

水を張れば、何百年も連作し続ける事ができるのが、「水田」です。
土遊野でも、一切農薬化学肥料を使わずに、お米を作り続けています。
できたお米は、乾燥し長期間貯蔵ができ、そして人間の主なカロリーになる主食である。
12月、土遊野の里山の麓の田んぼは「冬水田んぼ」です。
冬も用水が流れる麓では、冬に水を張っておき、土作りをイトミミズや微生物達にしてもらいます。
これは来年、草を抑える効果もあり、土遊野での究極の田んぼのいち技術です。
頼るのは、水と微生物、そしてその微生物達を求めて、水鳥たちもよるは何百羽と集まってくるので、少し窒素肥料もいただいています。
水田とは、そういう力をもっている場所です。
こうやって食料を生産できる国土です。


先代たちが、この国土に張り巡らせた用水や水路は、安定した食料を確保するために整備してくれたものです。
水田は、食料の循環、自然との共生、そして次の時代にも引き継ぐべき現場であり、 米農家とは、その循環の守り人でもあります。


ひよっこ農家娘二代目奮闘記

農業という仕事は、時代を超え、国を超えて通用する仕事である。
こんな大きな仕事と捉えて、私は富山県富山市土という小さな集落に、その根を張ることを決めました。

日本中世界中の農業を知ってからでも良かったと思います。
でももし、そうして旅をした時「あなたは何をしているの?」と聞かれて、「日本の里山で循環型農業をしている。棚田でお米を作っている」と答えるのと、「農業に興味があっていろいろ勉強している」と伝えるのはぜんぜん違うと思いました。
21歳当時、自分が何者でもないことと、何者になるとはどういうことかを考えていた時期だったんですね。 どこかに根を張らないと、木は大きく成長できません。
大きく成長せずに、自由に動き回れる人生も又ひとつ。
人生の豊かさは人それぞれです。
そんな中、私は大きな樹になる人生を生きたいと思いました。


その地に根ざす大きな樹になるなら、農業は最適な生き方です!
だから、私は就農した時「めぐみ木を育てる」というテーマをもっていました。
次号へ続く…


今月のおすすめ商品

艶麗大豆のきな粉

艶麗(エンレイ)大豆を、農薬化学肥料を一切使用せずに栽培した、無農薬大豆のきな粉です。 製粉は、富山県に唯一残るきな粉の製粉会社でオリジナルで焙煎して挽いてもらいました。 オール富山県産きな粉です。 大粒なので香ばしく、大豆の香りも残る美味しいきな粉になりました。 放生若狭屋のかりんとう凜やさんのきな粉餅にも使っていただいています。

新大正もち米

主に富山県で栽培されている「新大正もち米」。粘りとコシの強さ、絹のようななめらかさ、甘み豊かな風味が特徴です。 全国的にも最高級品と呼び声が高いうえに、ほとんど県内で消費されてしまうため、なかなか県外ではなかなか手に入らず「幻のもち米」・「もち米の王様」とも言われています。 当農場では、棚田かつ有機栽培で育てています。

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