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優しく温かい社会を繋ぐために|土遊野通信 vol.53(2025年12月号)

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優しく温かい社会を繋ぐために|土遊野通信 vol.53(2025年12月号)

優しく温かい社会を繋ぐために|土遊野通信 vol.53(2025年12月号)

2026/03/31

里山は、また季節がめぐり、冬、春に芽吹くための静かに力を蓄える時期に入りました。
もう枯れてしまったのではないか?というくらいに、地上に見える部分はとても質素な姿に。
でも、決して枯れていないのです。また春に芽吹くために必要な、大切な時間。
私達生き物には、寒さも、温かさも、暑さも引き受け進化する力が、備わっているのだと、この季節には彼らの姿に勇気づけられるのです。

いのちを繋ぐということ

農業という仕事の本質を、私は「いのちを繋ぐこと」だと考えています。
それは日々、私がたくさんの生きもの達のまっすぐな生き様、そして生命力と向き合っているから、育まれてきたものだと思います。しかしながらこの気持ちは、おそらく富山の里山だけでずっと生きていては、ここまで膨れ上がらなかったでしょう。

大学時代を東京で過ごし、初めて私は「人間だけの社会」を体感しました。少し表現が尖っているかもしれませんが、里山で育った私にとっては、都市とは、ほぼ人間しかいない社会でしたので。富山に戻り農業を始めて、最初は育てたものを知ってもらいたくて、いろいろなところ足を運んでいました。知ってもらいたいなら、まずは自分がその世界を知る!前述のとおり、私は人間社会をあまり知らなかったので、様々な人との出会いから社会を拡げていったのです。そして知っていく中で、人間社会の中では、食べ物は多くの人にとっては「あって当たり前のもの」「お金と交換する消費物」なのだということを受け取りました。

現場に戻り、田んぼ仕事や鶏仕事をしながら、まっすぐ素直に生きる命を向き合っていくうちに、だんだんヒヨコ達や稲、野草たち、森の木、虫や菌達といった、この地を豊かに導き続けている命たちへの、感謝と、そして敬意が増していきました。

自ら、人間の先頭に立って、他の命に手をかける決断をする現場。これも私達農業家が向き合っている現場です。
「生まれ。生きる。死ぬ。」という命の巡りがすぐそばにあります。

命を育むことに「効率」を当てはめない

その命たちに、もしかしたら、ゲノム編集して、それとセットにした薬剤を与え、抗生物質を飲ませて、土から離して、ケージで囲った方が、私たちの思い通りに育つのかもしれない。人間にとっては、きっととても効率的なのだろうと思います。少子高齢化社会、担い手不足、農業を人間のための食糧生産を第一の使命とするなら、確かに効率化が必須の時代に入っています。土遊野でも、草刈りなど機械に頼めることは機械化し、経理にAIを活用し効率も求めています。

それでも、命を育むこと自体に「効率」を当てはめるところには、大きく一線を引いています。なぜなら、その視点を、そのまま人間に当てはめたらどうだろうと、私は想像するからです。だってじゃあ、人間を育てるのに、子どもを育てるのに、効率を求めるのか?育てやすいよう、病気になりにくいよう、ゲノムを編集していくのか?では、そうならない命は、不要で失敗作なのか?

私は、娘の時代に、命を選び、この子は成功作、あの子は失敗作といった基準でいのちを育むような社会にはなってほしくない。

私達人間は、この現代において確かに「命を操作し選別をする力と技術」を持っています。実際に多くの食べ物にはこの技術が使われています。この技術の進歩を止めることはできないかもしれませんが、それはまだ、「人間にとって便利で有利な」というとても狭い視野にいるように思えてなりません。そして人間の存続のためなら、他の命には何をしてもよいという身勝手のしっぺ返しを食うのは、おそらく次世代の子ども達です。なぜなら、人間は人間以外の生きものが作り出す自然環境にずっとずっと支えられ続けているからです。

自然環境に興味を持つということは、次世代の子ども達が生きる社会を想うことと、同義だと私は考えています。
だから、自然環境と共生できる道をずっと模索し続けています。

次の世代に、命を選別したり、奪い合うことのない、優しく温かい社会を繋ぎたい。
私にできることは、自然と共に生きる地に、希望と可能性の種を蒔き続けること。
これからも里山で農業を通して、楽しみ、挑戦し、そして優しく温かい心を磨いていきたいと思います。

土遊野代表 河上めぐみ


純米大吟醸「土遊野」"生熟成酒"ができました

生熟成酒とは?
火入れをせず、生きたまま低温で熟成させた日本酒です。酵母や酵素が生きているため、時間とともに味わいがやわらかく育ちます。

土遊野の生熟成酒は、里山の田んぼで育てた有機米イセヒカリ100%で仕込んだ、150本限定の特別な一本です!

発酵によって日本酒には、アミノ酸・有機酸・ビタミン類などが生まれることが、研究機関によっても確認されています。火入れをしていない生酒は、これらの成分や香りが比較的損なわれにくく、発酵のちからを、そのまま味わえる一杯になっています。翌朝に体感された方から、「薬みたいなお酒だね」と感想を頂いたこともあります。

開封後は、風味が早く変化しますので、その移ろいもぜひお楽しみください!
※冷蔵発送いたします。冷蔵保管をお願いします。


FARM'S REPORT

12月:富山市の小学校に3万食分の有機米をお届けしました!

富山市オーガニックヴィレッジ宣言と共に給食に有機米を届け始めて3年目になります。当日は小学校に伺わせていただき子ども達に農業のお話しもさせていただきました。農業や、食べ物の先の世界にもっと興味を持ってもらえたらと、未来への種まきができた豊かな時間となりました。

10月:第2回里山ランニング大会 無事に開催しました!

稲刈りも終盤のころ、第2回目の里山ランニング大会を無事に開催することができました!来年も継続開催予定です。参加賞は有機米の新米やオリジナルボトルなど豪華で、何より棚田を走り切る爽快感を体感していただけたと思います。


農業家への道 2代目の立志編

私は就農するまで農業を勉強したことはありませんでした。大学は東京外大のタイ語専攻で、そもそも大学まで農業をするつもりではいませんでしたので。なので、24歳で就農してから、現場で実践しながら勉強してきたという感じです。

実は土遊野を拓いた両親がとても勉強家でした。夜のリビングでは、いつも何か本を読んでおり、おすすめの本があればラインを引いて渡してくれました。土の本、微生物の本、ヤギの絵本など「これはわかりやすい!面白い視点だ!」など両親なりの学びをシェアしてくれていました。お陰で私も本屋さんは大好きです。

一つのテーマを、なるべくいろいろな角度から知りたく、今は書籍と一緒にAIに聞いて文献を探してみることがあります。特に外国の情報は得やすいですね。最近は「不耕起栽培」と「リジェネラティブ(環境再生)」を勉強中です。20年後の農業と社会、地球にとって必要なものは何かという判断軸からです。その種を撒くのは、今現場に立つ私達だという自覚を持ちながら。

次号は、少しほっこり趣味のお話も…(^^)

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